無花果

子供の頃、実家の庭には無花果の木が数本あった。

無花果が熟す頃になると毎日のおやつは決まって無花果だった。

生り始めのころは久しぶりだから美味しくって良いのだけれど、これが半月ぐらい毎日続くのだ。子供ながらいい加減飽きてくる。

しかも無花果は生のままたくさん食べると口の端が切れてきて痛くなるから尚更いやだ。

だから今度は甘煮がおやつに出てくる。もうこうなるとため息ものだ。何か違うものおやつに食べたい・・・。

お腹が空いているから食べたいのはやまやまだけど、こう毎日続くとがっかりだった。

 

今、スーパーの無花果は大きくてとっても美味しそうだ。実際美味しいのだろう、けれど、子供の頃の食べ過ぎた思い出は無花果を買い物かごに入れるのを躊躇させる。

無花果が乗っているタルトでさえ、あんなに美味しそうでも買えない↴。