寿命が尽きる時
プレゼントは特に要らないなと考えていたけれど。
これを買うかなと思ったものはあった。10年近く使っている炊飯器だ。
そして前に買い替えた時の事を思い出した。
新しい炊飯器に買い替える1ヶ月ぐらい前から、それまで出来た事のないおこげが出来るようになったのだ。
そのおこげが美味しい、最近おこげが出来るよになって良いなと思っていた。
ところがその日朝起きてきたらお煎餅を焼いている匂いがする。
良い匂い、どこで焼いてるんだろう。
そう思いながら顔を洗いに行った、顔を洗って台所に来ると炊飯器に目が行った。
もう炊けている筈なのに湯気が出ている、なんで?
ようやく気が付いた。
出ているのは湯気ではなく煙、焼けているのはお煎餅ではなくて我が家のご飯!
炊飯から保温に切り替わらず、おこげを通り越して炭になろうとしている。
大変!急いでスイッチを切ろうとしたのに切れない。
アチー、アチーと朝の台所で一人で叫びながらコードを引っ張って、ようやく電源を切ったのだ。
蓋を開けようにも熱くて開けられないし、もう少しで台所まで炭になるところだった。
1ヶ月ぐらい前から出来ていたおこげは温度センサーがイカレていたせいだったのだろう。
それがついに完全にぶち壊れてしまったのだ。
おこげ美味しいなんて喜んでいる場合では無かった。
その日冷めた炊飯器の蓋を開けると炭になったまわりのご飯をよければ食べる事は出来た。
けれどこの炊飯器でご飯は炊けない、火事になるかもしれないもの。
そして新しい炊飯器に買い替えられたのだ。
最近の家電は10年を超えて使うと発火の危険があると注意書きのあるものがあるし、炊飯器はほぼ毎日使うから、壊れる前に買い替えたい。
けれど壊れていない物を捨てられない。
ああどうしようと考えて、また使ってしまう、今回ももう少し考えてから決めよう。