ママの絵

上の子が3歳ぐらいの時、23年ぐらい前のこと。

ママの絵描いたよと言って見せてくれた。

巻き髪でロングドレスを着たママが大きな紙一杯に女王様のようにドーンと大きく描いてある。

とっても素敵、上手に描けてるねと褒めて、深く考えずに今度はパパのこと描いてあげてと注文を出した。

女王様のママなんだから王子様のパパだよね、きっと新しい紙にドーンと描いてくれるよね・・・と思っていた。

ところが、   エーーーーーー  !!!

いや、パパのこと描くんだよ、パパだよと何回も念を押しているのに、うん分かったと言って2秒ぐらいで描きあげたパパは・・・。

上の子は新しい紙を出すことは無く、女王様のママの頭のすぐ隣、ママの絵の隅っこに黒い丸みたいな物を描いて、パパ描いたと言って見せてくれた。

その絵はどう見てもハエ、パパの絵描くんだよともう一度念を押したけれど、うん描いたと言って譲らない。

うーん、どう見てもこれはパパじゃないよね・・・。

それなのに上の子はもうそんな事なんかお構いなし、ママのスカートにはピンク色のお花も描いてあげるねとママの絵には熱心だ。

パパのことも描いてと言った一言がこんなことになってしまうなんて。

家でのおとうさんはとっても甘い、子供たちにもママにも。

子供たちを大、大、大好きで、子供たちもそんなおとうさんが大好きなのに。

結局パパの絵は描き直されることは無くハエのままで、それを見た自分が1番ショックを受けた。

ママの絵とパパの絵と並べて飾ろうと思っていたけれどこれでは無理、おとうさんには見せずに隠してしまった。

 

思えば笑い話のような話だけれど、その時は子育て間違えちゃったかなと悩んだりもした。

子供たちは全然そんな事は覚えていないだろうし、おとうさんはそんなことを知りもしない。

子育てで忙しかった昔を思い出して、クスクス笑ってブログを書いている今の時間は至福だ。

考えてみれば、子育てさせて貰ったのかもしれないな。