母の名前

今週のお題「名前」

 

私がまだ子供だった頃、母が自分の子供の頃のあだ名が「にっぽんちゃん」だったと教えてくれた。

その時、なんでそんな変なあだ名だったのか聞いてみた。

母の名前は「ひなこ」。

ところがまだ小さい遊び友達が「ひなこ」と呼ぶことが出来ずに「しなこ」と発音していたと言う。

その頃、支那の子と間違えられると大変だからみんな「にっぽんちゃん」と呼んでいたんだという事だった。

母のあだ名は時代を映していたんだろう、その名前でいじめられたりしないように友達の優しさから出た「にっぽんちゃん」だったのだ。

それから70年以上が経って母はすっかりおばあちゃんになった。

もう「にっぽんちゃん」と呼ばれることは無い。