初雪

福島の実家の母から電話が来た。

「あのね雪降ったんだよ!寒いねー!」と冬が来たことを知らせる電話だった。

福島は毎年七五三の頃に寒波がやって来る。

冬のように寒さが増して、積もるほどではないけれど雪が降ったりするのだ。

 

下の娘が生まれた25年前、猪苗代町に住んでいた。

上の子もいたし産院の便利が悪かったりして里帰り出産をしていた。

出産後1週間入院して実家に帰ってきて落ち着いた頃おとうさんから電話が来た。

「今何してるか分かる?」

「そんなこと知らないよ、何かしたの?」

「今日はね、朝から雪かき!25センチも積もったからね!早く帰ってきて雪かきして!」と。

それはちょうど今頃、秋が終わり冬が始まる頃だった。 

この季節になると福島県内でも冬が厳しかった猪苗代での生活を思う。

産後小さい子供たちを連れて社宅に帰ってどんな風に暮らしていたのか、今はもうよく覚えてはいない。

大変だったような気もするし、楽しかったような気もするし。

でも楽しかったことの方が多かったような気がするのは得な性格のせいだろうか。

 

福島はもう冬が始まったようだ。