外宮から内宮へ
伊勢神宮では外宮から参拝を始める。
伊雑宮(いざわのみや)にお参りをして、また電車に乗って伊勢市駅に向かう。
駅前から外宮参道を歩いて外宮へと向かうのだ。
外宮の入ってすぐの辺りには今回の式年遷宮にあわせて”せんぐう館”が建てられていた。
まずそこに入って遷宮について学んでみると、20年に1度建て替えられるお社はその度に新しい檜が国内から切り出されてくる。
古いお社の材木は捨てられることは無く削り直して地方の神社などに下げ渡しになるという説明があった。
20年で建て替えられていたら勿体ない気がしていたけれど無駄は無かった。
そしてその度に奉納される宝物の数は、作り変えられることによって技術と文化の伝承が行われているんだなと感じた。
それにしても参拝者のすごい人、静寂と荘厳な感じは微塵もない。
人並みに流されて歩く、お参りもそこそこだ。
まがたまの池越しに外宮の御正殿を見たところ。満員御礼。
外宮から内宮へはタクシーを利用した。
駅に戻って循環バスに乗ろうとしたら大行列みんな乗れないかもしれない、それでタクシーにしたのだ。
タクシーに乗ると運転手さんが色々な話をしてくれた。
今年の遷宮は人出が多くてもう参拝者が1000万人を突破しているとの事、1ケ月100万人ペースだ。それで人だらけなんだ。
道路は渋滞、駐車場には車が入れられず、ホテルも満室だったわけだ。
そして昔の参拝は内宮だけで外宮にお参りする人はそんなにいなかったと言っていた。
新婚旅行で来た時も1カ所しか行かなかったような気がしていたけどそれは正しかったんだ。
外宮から内宮まではタクシーで3,000円も掛かってしまった、渋滞のせいか。
そして降りたらそこもすごい人、宇治橋を渡って内宮の中に入るのにその宇治橋は崩れるんじゃないかと思うほど。
こちらは五十鈴川、紅葉が綺麗だったけれどこちら側の岸はすごい人。
写真撮影が出来ない所も沢山あった。
でもそれ以上にガッカリだったのは撮った写真のほとんどに沢山の人の頭が写り込んでいた事。それは人だらけだったという事なんだけど。
こんなに混んでいるのならばもう少し時期をずらして行けば良かったとその時は思いもしたけれど、次の遷宮は20年後その時に行けるかは分からない。
この混雑も旅行を終わってみれば良い思い出、おとうさんとすごい人だったねと話が出るから。
参拝の後にはおはらい町を散策して伊勢の美味しい物を食べ歩きしてくる予定がここもすごい人、すっかり人酔いして真っ直ぐに通り抜けて食べたい物が食べられなかった、それは心残り。
家に帰り自分用にお土産に買ってきた伊勢うどんを食べてみた。
伊勢うどんはたれを掛けて混ぜて食べる汁無しの腰の無い柔らかいうどんだ。
前回の式年遷宮ではこれ程の人出は無かったと言っていた。
それぐらいどこに行ってもすごい人だったけれど、ちょっと離れた別宮は参拝者も少なくて神社の荘厳さを感じられた。
特に信心深い訳では無いけれど、神秘的な空間に身を置くのは嫌いではない。
昔々そのまた昔そこから続く時間を感じ、自分が今ここに居る事はほんの一瞬の出来事なんだという事に気付けただけでも良かったんだ。
自分てホントに小さいんだって事に気が付いたから。