記憶
人は何時からの記憶を持っているのだろう。
昨日載せた茅葺屋根の記憶は6歳頃の事だ。
もっと前の記憶、思い出せる1番最初の記憶は上の妹が生まれた時の事だ。
その時1歳9か月、本当にその時の記憶なんだろうか。
その日陣痛が始まった母は母の実家にいた。
台所では沢山のお湯が沸かされていた。
その頃は自宅出産も珍しくなくて、生まれそうだからお産婆さんを呼びに行かなくちゃと手伝いの女の人たちが話をしていた。
まだ小さい私は母の所にいると言って母方のおばあちゃんを困らせていた。
すると母の兄嫁だろうか、私を抱えて別の部屋に連れて行ってしまったのだ。
まだ小さいからお母さんから離れたくないんだよとか言いながら。
でも違う、母から離れたくなかったんじゃない、赤ちゃんの生まれてくるのを見てみたかったのだ。それを誰もわかってくれない。
とっても残念だった。
記憶はそこで終わっている。
妹は無事に生まれているのだけれど、その時の記憶が正しいのか、それとも後から誰かに言われて刻まれたのか、そこがいまいち分からない。
1歳9か月でそんなこと考えるのか、覚えているのは自分の考えた事なの全く不明。
50年前の事はそれ以上思い出せない。